NPO氣の活用コムの岡村理事長は、令和4年6月1日から6月3日の二泊三日で、比叡山延暦寺の回峰行に参加しました。回峰行の手記を下記に載せましたので、興味・関心のある方はご覧下さい。
<回峰行 手記>
私は来年80歳になります。
いよいよ「人生100年時代」の<遊行期>に入ります。
これからの20年間を元氣に生きていくために、仏教伝道協会主催の「比叡山延暦寺の仏道〜回峰行に学ぶ」に参加することにしました。
昨年(2021年)参加申し込みをしましたが、コロナ禍の為に中止となりました。
回峰行を成満するために、私は3年前から一日も欠かさずに、毎朝ストレッチとスクワットを継続してきました。
今年(2022年)3月に、「昨年の申込者に限定して、定員を半分の30名に絞って、先行予約を受け付けます」との案内を頂きました。すぐに参加申し込みをしました。
*参加資格者は「僧籍のある方」です。岡村は長崎県平戸市の浄土宗寺院西福寺に僧籍登録をしています。
一日目の6/1は開講式と全体会議でした。
二日目の6/2は5:00覚心(起床)の後、根本中堂での座禅止観と勤行でした。午後は13:00から15:30まで、比叡山延暦寺の三つのエリアの諸堂を参拝をしました。翌日の回峰行の足慣らしでもありました。
<東塔エリア>----根本中堂・大講堂・阿弥陀堂・法華総持院東塔・文殊楼・大黒堂
<西塔エリア>----釈迦堂(転法輪堂)・浄土院・常行堂・法華堂(にない堂)・瑠璃堂
<横川エリア>----横川中堂・四季講堂(元三大師堂)・恵心堂
*参拝の途中で、回峰行指導者が「明日はもっと早足で歩くから、取り止めたい方は申し出て下さい!」と何度も言われていました。
三日目(6/3)は、いよいよ回峰行の本番です。
午前1:00に覚心(起床)。1:45延暦寺会館前集合。2:00出発。
前日に参拝した山王院〜浄土院〜釈迦堂〜瑠璃堂で般若心経を唱えて、玉体杉まで峰道を2列縦隊で歩きます。
*玉体杉は回峰行者が唯一、腰を下ろせる場所です。京都市街が見下ろせて、真正面に京都御所があります。回峰行者は御所に向かって、礼拝を捧げます。
この後は、横川に向かい横川中堂〜元三大師堂〜覚超僧都廟で般若心経を唱えて、「横川行者道」をフットライトで足元を照らしながら、一気に日吉大社まで歩き通しました。
日吉大社には午前6:00に到着しました。4時間の下りの歩行でした。
*私は2列縦隊の中ほどに位置取りして、両手を広げて「氣の全身呼吸法」をしながら歩きました。比叡山の「清冽で清浄な氣」を全身に浴びながら、「体内を清浄な氣で洗う」という意識で、「大自然のリズムと、自分のリズムを一致させ、『吐く息は天地よろず世に及び、吸う息は腹内の寸分の内に収まる』という天地一体・心身一如」を、体現しながら歩きました。
また『我れが天地か、天地が我れか!の天地一体となる至妙境』に至ることもできて、本当に気持ちよく歩きました。
膝に負担を掛けないように、極力「軽く、軽く」と意識して歩きました。
その結果、下りの日吉大社までの4時間は、スイスイと気持ちよく歩き通すことができました。ここまでは、自分自身を褒めてあげたいほど大満足の山下りでした。
坂本の霊山院で、「おにぎり2個の朝食休憩」を30分間とり、延暦寺目指して<行者道・けもの道>を3時間かけて上って行きます。
ここでも回峰行指導者が、「止めるんであれば、今、申し出るように!」と強く念押しをしていました。「ここまでは、車が入れるけど、この先の<行者道・けもの道>は車が入れないから、取り止めるのであれば、今ですよ!」ということでした。
数名が中止を申し出ました。私は平気な顔をして見過ごしました。
上りの最初は、無動寺坂を上り、無動寺谷へと向かいます。
無動寺谷では玉照院・無動寺明王堂・弁天堂で般若心経を唱えます。
*般若心経の「空の世界//空っぽになり切る」という意味をかみしめながら唱えました。
途中から、先達の回峰行体験者が「早く歩ける者は、急ぎ足でついてこい!」と号令をかけて、急に早足になりました。私は無動寺谷付近から徐々に遅れ始めて、最後から2番目を歩いていました。
<けもの道>で、少しよろけたら、最後尾の回峰行指導者から「落ちたら助からないぞ!」と、叱責されました。改めて下を見ると、厳しい崖になっており、確かに落ちたら助からない場所でした。鎖につかまって上がる険しい道もありました。
途中で、現役の回峰行者が側道から我々を追い越して行きました。
私は無動寺谷に差し掛かった頃から、足がつり始めました。
足がつっても歩き続けなければいけません。回峰行指導者から「腰を下ろすと、立ち上がれなくなるぞ!」と強く言われました。無動寺谷の無動寺明王堂付近から、終点の延暦寺までは、本当に厳しい厳しい道のりでした。弁天堂などのお堂を通り抜ける為に、長い石段を手摺りにしがみつきながら、一段一段必死に上りました。最後は、つった足を引きずりながら、フラフラ、よろよろしながら、やっとやっと終点の延暦寺にたどり着きました。
倒れ込むようにして部屋に帰り、大浴場で湯船につかりましたが、揉んでも揉んでも足の引きつりは治りませんでした。本当に厳しい行でした。
その後、10:00から閉校式があり、11:00の懇親会で終了となりました。
懇親会では、「来年80歳で、初めての回峰行をよく成満できましたね!」と、数名から労いの言葉をいただきました。
*多分、80歳で初めての回峰行を体験された方は、殆んどいないようです。
無事に成満できて、これからの「人生100年時代」を、元氣に生きていく自信がつきました。「絶対に成満するぞ!」という強い強い気持ちと、『氣の活用』のお蔭です。自分自身を「よくやった!!」と、褒めてあげたいですね。
(2022年6月10日記す)
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